世界一安いフルサイズミラーレス
加齢が原因で(?)EOS 6D Mark IIの重さに嫌気がさしたためEOS RPを購入してきました。まぁその2週間後にR8が発表されたのは言うまでもありません。
価格は24-105mmSTMレンズキットで約16万円。念願の新型RF24-105mmSTMまで手に入れてしまった形です。画質を考えれば買うなら当然Lレンズだと言いたいところですが、コッチは価格も安いし軽量なのでカバンからサっと取り出し気軽に撮れそうです。
スペックはフルサイズミラーレスの中でも最低ランクの代物で、EOS Kissのちょっと昔のやつにフルサイズセンサーを搭載してミラーを取っ払ったかのような性能になっています。
しかしボディーの剛性感は上位機種に負けないくらい良いと感じたし、ボディーよりも重たいレンズを付けてもモノとしての一体感は損なわれない感じがするのはさすがキヤノンと言った所でしょうか。
早速使ってみる
電車の先頭車両にかぶり付きながらふと目に入った連絡ブザーの「テンとツー」の組み合わせの一覧表。車両は伊豆急8000系ですが、多くはJRと共通していると思われます。そんな車内でもカメラが軽量なので気になった被写体を気軽に撮ることが出来ました。
薄暗い車内と日が差すホームとで明暗差が激しい場面です。RPは他社や最新のカメラと比べてDRが狭いと言われています。どうしても気になるならRAWで撮ったり、高輝度側階調優先をONにしたほうが良いかもしれません。
昨今のスマホは1回の撮影でHDR画像を自動で生成しているようなもので、10万円も出して買ったカメラが簡単に白飛びしてしまうのは軽いカルチャーショックを受けるかもしれません。勿論RPにもHDR撮影機能がありますが、生成に時間が掛かりますよ。
RF24-105mmSTMの嬉しいポイントはテレ端の画質が先代のEF24-105mmSTMより格段に向上したこと。このレンズはズーム倍率も高く軽量のためかなりオススメのレンズです。
暗いシーンでの撮影です。ボディー内手ぶれ補正こそありませんが、レンズに搭載しているISのお陰で綺麗に撮影できました。開放から写りが良いためISO感度も極力低めに設定出来るのが利点です。自分の場合はSSは早めに設定しているのでISOオートだと高めになってしまいました。しかしフルサイズの底力が発揮されなんとか自然な感じには撮影できたと思います。
EF70-300mmF4-5.6 IS II USMを使ってみる
普及価格帯の暗いレンズでもフルサイズとなると近くの被写体にピントを合わせると背景がボケてくれます。このレンズも先代のレンズと較べて開放からの写りが良いので安心して使えます。
サクラの蜜を吸うスズメ。RPは連写が弱すぎるためコマ数を稼げませんが、電子先幕シャッターのため思った瞬間にシャッターが切れるのは不幸中の幸い。スポット一点AFにすれば思ったところにピントが来ます。サーボAFだとさらに連写は遅くなりますので野鳥撮影のような小さくて動きが早い被写体をRPで追うのは多少の覚悟が必要です。
連写よりも気になったのがオートレビューから撮影に戻る際のタイムラグです。ファインダーが一瞬だけ表示されなくなるので最新のミラーレスと比べると大変なストレスとなります。ファインダーを覗きながらじっくり撮影したい時はオートレビューを「切」に設定する必要があります。そうしないと、一瞬でも半押しが解除されるとオートレビューに走ってしまうのでファインダー映像が強制的に切り替わっちゃうってわけです。
ファインダー撮影時のみオートレビューが自動で切れる設定ができるだけでRPは見違えるほどいいカメラになるとTwitterでも自分だけが頑張って喧伝していますが、EOS R5の代からオートレビューの切り替えも早くなり、販売戦略もあってか今更RPのファームウェアを大幅に変更するわけにはいかないのでしょう。
お気に入りのレンズでも「AF合ってるのかな?」と思う場面はありました。瞳AFはシステムが古く人間以外では使い物になりません。とは言ってもキヤノンのHP上では殆ど瞳AFに触れられていないうえに動物の文字は一切無いので、ごく簡易的な物だと思われます。
上の写真のように鳥の頭にAFが行かないようであれば少し絞るなどの工夫が必要かもしれません。もっとも、この時には絞り値は意識していませんでしたけどね。それかレンズの解像力によるものかもしれません。
多少のAFシステムの古さは感じますがデュアルピクセルAFの正確さと速さには安心感があります。DSLR時代のAFズレは過去の物になったと言っても良いと思います。
E257系が来たので急いで撮ったらサクラではなく中央のツタにAFが行ってしまいました。というかこのツタのサイズでシュっとAF合うのはある意味凄い…。
こちらも急いで撮影した例。列車の速度がゆっくりだったため5枚ほどはフレーム内に列車が収まっている写真が撮影できました。このRPの連写速度は「必要最低限」という感じはしますが決して足りなさすぎる事は無いなと家に帰ってから思いました。
あとがき
RPと24-105、70-300を持って河津町へ行ってきました。最初は70-300を入れずにリュックを持ち上げるとカメラが入って無いような感覚さえありました。それだけRPは軽くて助かりました。
4K動画のAFは全く使い物にならない、そもそも4K60fpsが撮れないし、さらに連写も遅いなどそろそろスペック的にキツイ印象を受けるカメラですが画質が格段に良くなったRFレンズ郡、電子先幕シャッターのお陰で思ったタイミングでシャッターは切れるのでそこは良かったと思いました。
バッテリーは最低でも予備が1つは欲しいですがUSB Type-C/PDでの充電に対応しているので出先に於けるバッテリー切れの心配が少しながら軽減されます。